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【有料記事】ブックレビュー

【書評】ジョージ・マクドナルド『かるいお姫さま』―読めば読むほど面白くなる古典的ファンタジー文学―

イギリスの作家ジョージ・マクドナルドのファンタジー作品『かるいお姫さま』の書評。魔女に呪いをかけられ、体も心も軽くなってしまったお姫様の物語。

【書評】文豪による老人小説の先駆け―谷崎潤一郎『瘋癲老人日記』―

『瘋癲老人日記』(谷崎潤一郎/著 中公文庫)のレビュー。息子の嫁を相手に変態的な性欲を発揮し、突飛な言動で家族を振り回す老人。文豪谷崎がみずからの老いを意識して書いた皮肉たっぷりな老人小説です。

【書評】〈生きる意味〉を思い出させてくれる1冊―トルストイ『人はなんで生きるか』―

『トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四篇』(中村白葉/訳 岩波文庫)のレビュー。人が人として生きていくとは、どういうことか? 現代人の忘れてしまいがちな〈生きる意味〉を思い出させてくれる、トルストイ晩年の珠玉の短編集。

【書評】妖艶な魅力に引き込まれる傑作小説―谷崎潤一郎『春琴抄・吉野葛』―

『春琴抄・吉野葛』(谷崎潤一郎/著 中公文庫)のレビュー。盲目の麗人との奇妙な愛を描いた「春琴抄」、亡き母を恋い慕い吉野を旅する「吉野葛」。谷崎作品の妖しい美しさを存分に感じられる1冊です。

【書評】味わい深くて面白い、宝石のような物語―トルストイ『イワンのばか』―

『トルストイ民話集 イワンのばか 他八篇』(中村白葉/訳 岩波文庫)のレビュー。ロシアの文豪トルストイによる民話風の短編集。現代社会への皮肉とユーモアに富んだ、味わい深い物語。

【書評】大河小説のような感動を味わえる1冊―森鴎外『渋江抽斎』―

森鴎外『渋江抽斎』の書評。江戸時代に活躍した医者・学者である渋江抽斎と、その周辺人物の生きざまを紹介する史伝。幕末から大正までの時代のうねり、生き生きと描写される人物たち、大河小説のような読み応えある1冊です。

【書評】地下鉄サリン事件の闇に迫る―村上春樹『アンダーグラウンド』―

『アンダーグラウンド』(村上春樹/著 講談社文庫)のレビュー。1995年3月20日、東京の地下鉄に猛毒ガス・サリンが撒かれた。一般市民を無差別に狙った凶悪テロ事件に関与したのは、オウム真理教。あの日、地下では何が起こったのか? 地下鉄サリン事…

【書評】怖いだけではない怪談の魅力―『小泉八雲集』(新潮文庫)―

『小泉八雲集』(小泉八雲/著 上田和夫/訳 新潮文庫)のレビュー。小泉八雲の怪談・随筆の代表作ばかりを集めたアンソロジー。

【書評】絶望を生きる力に変える哲学的エッセイ―カミュ『シーシュポスの神話』―

『シーシュポスの神話』(カミュ/著 清水 徹/訳 新潮文庫)のレビュー。人から生きる意味と希望をうばう不条理な現実。そんな不条理を見据え、絶望を生きる力に変えるカミュの哲学的エッセイ。

【書評】女性たちの駆け込みの悲喜劇を描く連作短編集―井上ひさし『東慶寺花だより』―

『東慶寺花だより』(井上ひさし/著 文春文庫)のレビュー。江戸時代、駆け込み寺として知られる鎌倉の東慶寺を舞台に、夫と離縁したいと切実に願い寺へ駆け込む女性たちを描いた連作短編集。

【書評】心が震える音楽小説の王道―恩田陸『蜜蜂と遠雷』―

『蜜蜂と遠雷』(恩田陸/著 幻冬舎文庫)のレビュー。国際ピアノコンクールに挑む天才ピアニストたちの葛藤と成長を描いた作品。多彩な言葉が響き合い、読者の心を震わせる音楽小説の王道。

【書評】〈貧しさ〉を正面から描いた名作文学―ディケンズ『クリスマス・キャロル』―

『クリスマス・キャロル』(ディケンズ/作 脇 明子/訳 岩波少年文庫)のレビュー。クリスマスを舞台に、けちで強欲で嫌われ者の爺さん「スクルージ」の改心のドラマと、人間の貧しさを描いた名作。

【書評】旅の息抜きと人間的な幸福感を描いた名作―川端康成『伊豆の踊子』―

川端康成『伊豆の踊子』のレビュー。孤独や息苦しさから逃げ出すように伊豆の旅に出た主人公の成長、人の温もり、幸福な体験を描いた短編小説。

【書評】恋と美のめくるめく銀世界―川端康成『雪国』―

川端康成『雪国』のレビュー。トンネルを抜けた先に広がる雪国の世界。自然の美しい情景と男女のはかない恋。日本文学の澄みきった名作です。

【書評】究極の自己肯定者ムルソーの生涯―カミュ『異邦人』―

カミュ『異邦人』のレビュー。主人公の青年「ムルソー」は、殺害の罪と、母親の死に対して涙を流さなかった事実から、人間性を徹底的に否定され死刑判決が下される。しかし彼自身は幸福だった……

【書評】感染・閉鎖・絶望……最後まで闘い抜いた人間の記録―カミュ『ペスト』―

『ペスト』(カミュ/著 宮崎嶺雄/訳 新潮文庫)のレビュー。感染拡大、都市の閉鎖、いつ収束するかわからない絶望的な状況に立ち向かう主人公の医師「リウー」の闘いを描いた小説。

【書評】心を失う世界を描いた予言的小説―村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』―

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(村上春樹/著 新潮文庫)のレビュー。心を失った人間の世界で、「僕」はどう生きるのか。現代を風刺した予言的小説。

【書評】過去の苦しみを救いに変える、言葉の力―夏目漱石『道草』―

夏目漱石『道草』のレビュー。主人公「健三」が抱える幼少時代のトラウマ。苦悩の日々。暗い状況の中にも生き生きとした言葉が光る名作。

【書評】なぜ人は炎上を求めるのか?―三島由紀夫『金閣寺』―

『金閣寺』(三島由紀夫/著 新潮文庫)のレビュー記事です。 主人公の「私」はなぜ金閣寺を焼かなければならなかったのか? 「私」の劣等感と心の闇。