【読書が続かない人 必見】読書に小説をおすすめする5つの理由
こんにちは、『文人』です。
「読書は好きなのに、気づいたら本離れになっている……」
「せっかく本を買ったのに、何となく読まずに積読状態……」
読書にはこんな悩みが付きものですよね。
程度の差はあれど、「読書が続かない……」というのは、忙しい生活を送る現代人にはありがちなことです。
そこで私がおすすめするのは、小説をできるだけ多く読むこと。
読書がなかなか続かない人でも、小説はおもしろく読むことができ、継続しやすいです。
この記事では、小説を読むことの魅力を5つ紹介していきます。
①多様なジャンルがあるので本を手に取りやすい
ひとくちに小説といっても、古典、純文学、ライトノベル、ミステリーなど、さまざまなジャンルがありますよね。
小説の魅力のひとつは、選択の幅が広く、好きなジャンルを開拓しやすいこと。
たとえば、旅行に興味がある人は、
「旅をテーマにした小説」
を手当たりしだいに読んでみると、いろいろな土地に興味が出てくるでしょう。
そのなかで、もし北海道に興味がわいたら、
「北海道を舞台にした小説」
といったふうにジャンルを変えて読んでいく。
北海道をさらに掘り下げていくと、
「アイヌ民族を描いた小説」
「北海道の歴史を描いた小説」
「北海道にゆかりのある人物を描いた小説」
など、新しいジャンルが次々に見つかります。
また、そのなかで気に入った小説に出会えたら、同じ作家のほかの作品へ移っていく。
作家もひとつのジャンルですから、さらに新しいジャンルが開拓できますね。
小説は掘り下げればどんどん新しいジャンルに出会うことができます。
読みたい小説が次から次に見つかるでしょう。
「何を読んだらいいかわからない」
という人にとって、小説は圧倒的に手に取りやすいジャンルなのです。
②読めば読むほどおもしろくなる
小説は細部のおもしろさで成り立っています。
つまり読み方しだいで、さまざまな楽しみ方ができるということ。
たとえば夏目漱石の『こころ』は、「先生」と「K」の友情の話としても読めますし、「先生」と「K」と「お嬢さん」をめぐる恋の話としても読めます。
読み方によって感動の仕方も変わってくるでしょう。
好きな小説が本棚にあるという人は、ぜひ再読してみてください。
良い小説は再読してもおもしろい。
注目するポイントを変えるだけで、違う世界が広がっていきます。
再読しても面白いというのが、小説の大きな魅力です。
また、好きな作家が見つかったら、ぜひ「作家読み」をしてみてください。
「作家読み」とは、同じ作家の作品をデビュー作から最新作までひととおり読むこと。
「作家読み」をすると、読む力が磨かれていきます。
同じ作家の小説でも、作品ごとに微妙な違いがあることに気づけるはずです。
そのような細部の違いを味わえるようになると、小説を読むのがどんどんおもしろくなっていきます。
小説は読めば読むほど、細部の違いを味わえるようになり、おもしろい読み方ができるようになるのです。
③自分のペースで読み続けられる
ニュースや流行を常にチェックして、新刊の一般書籍を読む。
情報をどんどん吸収して、社会のトレンドに乗っていく。
そのような読書の楽しみ方もあるでしょう。
しかし注意が必要です。
あんまり情報にとらわれすぎると、自分の頭で深く考えたり、想像したり、心を動かしたりする余裕がなくなっていきます。
社会のなかでの時間と、私たちひとりひとりの時間は、本来違う流れ方をしています。
少なくとも、小説に没頭している間は、自分だけの特別な時間です。
そういう時間を生きることの大切さを、私は大人になってから実感するようになりました。
小説の魅力は、自分本来のペースで読めること。
場面を想像したり、言葉をじっくり味わったり。
ときには前のページに戻って読み返すこともあります。
そのような読書をしていると、ゆったりとした心地いい時間が流れていきます。
小説に没頭する心地よさを覚えると、時間の使い方が変わってきます。
生活の中心が読書に変わり、本を手にとる習慣が身についていくはずです。
④自分を知ることで読みたい本が増える
小説は、作家によって書き方や作風が大きく異なります。
いろいろな小説を読み続けていると、
「これは自分には合わないな」
と感じる小説もあれば、
「ここに書かれているのはまさに自分のことだ!」
と強く共感できる小説に出会うこともあります。
小説は体験です。
さまざまな物語や登場人物に触れることで、自分を深く知ることができます。
どのようなものに価値を感じるのか、どのような生き方に惹かれるのか。
自分にとっての大切なものが見えてきます。
自分がどういうものに惹かれる人間なのかを知ると、
「読みたい!」
と感じる本を直感的に探すことができます。
読書を継続できる人は、自分の読みたい本を手にとって、自分のペースで読んでいます。
「話題のベストセラー」や「読むべき本」をとりあえず読んでみる、という受け身の姿勢では読書はなかなか継続できません。
「自分がいま読みたい本」を主体的に探して読むことが大切です。
「読みたい!」
と強く感じた本を手に取ったほうが、読書のモチベーションは上がります。
小説はそのような主体的な読書をしやすいジャンルなのです。
⑤愛読書が見つかる
読書を続けている人にとって最大の喜びは、「愛読書」に出会えること。
「愛読書」とは、人生のなかで何度も読み返して味わえる本のことです。
「愛読書」は再読するたびに新しい気づきがあります。
大切な言葉が見つかったり、落ち込んだときに励まされたり、自分の成長を実感したりすることができる。
そのように生活のなかで活きてくる本です。
私の愛読書のうちの1冊、『注文の多い料理店』(宮沢賢治/著 新潮文庫)から、好きな言葉を紹介します。
わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとおった風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。
またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗や、宝石いりのきものに、かわっているのをたびたび見ました。
わたくしは、そういうきれいなたべものやきものをすきです。
『注文の多い料理店』(宮沢賢治/著 新潮文庫)序文より引用
小説は細部の描写や言葉の美しさで成り立っているので、再読しながら楽しむ「愛読書」にぴったりです。
小説は作家の眼や感性を通して体験することができる世界です。
たとえるなら、小説を読むのは、さまざまな色眼鏡をかけて世界を見ること。
小説を読んだ後は、感性が刺激されて、日常生活のなかのさまざまな物や景色が新鮮に感じられます。
宮沢賢治の言葉を借りれば、「ひどいぼろぼろのきもの」が「宝石いりのきもの」に見えることもあるでしょう。
読書を続けていれば、「愛読書」が増えていきます。
本棚の一番目立つところに「愛読書」を並べ、好きなときに読み返すのはとても幸せな読書です。
きっと人生が豊かになるでしょう。
おわりに
「読書が続かない……」
という人に向けて、小説を読むことの魅力を5つ紹介しました。
いかがだったでしょうか?
小説がおもしろく読めるようになると、自分がいま本当に「読みたい!」と感じる本を主体的に探し、自分のペースで読書を続けられるようになります。
自分の読みたいジャンルをいくらでも開拓することができ、何度でも再読して楽しめる「愛読書」に出会えることも、小説の大きな魅力です。
あなたもぜひ、小説との出会いを増やしてみてくださいね。
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