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「坊っちゃん」とはどんな人?―夏目漱石『坊っちゃん』の魅力―

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夏目漱石坊っちゃん』の内容紹介

 

こんにちは、『文人』です。


夏目漱石の『坊っちゃん』は、近代文学の名作として今でも広く読まれています。

実際に読んだことはなくても、

「『坊っちゃん』? 名前だけなら知ってるよ」

という人も多いのではないでしょうか。


夏目漱石の代表作である『坊っちゃん』は、とても読みやすいので、読書を始めたばかりの人にもおすすめです。

今回は、そんな坊っちゃん』の内容と魅力をわかりやすく紹介していきます。

 

 

 

坊っちゃん』とは?

真っ直ぐな性格で、曲がったことが大嫌いな「坊っちゃん」。物理学校を卒業すると、四国の中学に赴任し、数学教師となります。ところが赴任早々、生徒たちのいたずらに悩まされたり、教頭「赤シャツ」にだまされたり、画学教師「野だいこ」から馬鹿にされたりと、不愉快なことばかり。悪知恵の働く者ばかりで、義理人情の通じない環境に強く反発する「坊っちゃん」。しまいには、志を同じくする同僚の数学教師「山嵐」と結託し、「赤シャツ」「野だいこ」を殴りつけて成敗。わずか1か月ほどで教師を辞め、東京へ帰ることになります。

 

  •  作者は夏目漱石(1867-1916)

    明治から大正にかけて活躍した、近代文学を代表する文豪です。


  • 坊っちゃん』の発表は、明治39年(1906)。

    処女作『吾輩は猫である』に次ぐ、2作目の小説です。


  • 夏目漱石は明治28年(1895)28歳の時、愛媛県の松山中学の教諭として就任しています。

    当時の体験が、『坊っちゃん』執筆の背景になっています。

 

 

 

坊っちゃん』の魅力

 

①主人公「坊っちゃん」の人柄

 

主人公の「坊っちゃん」は、正直者で、曲がったことが大嫌いです。

乱暴者で、喧嘩好き。

嫌いな人間とはすぐに衝突してしまいます。

せっかちで、思い立ったらすぐに行動、何でもその場で決めてしまう性格です。

 

親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。

坊っちゃん』(夏目漱石/著 新潮文庫)より引用

 

この冒頭の有名な一文にある通り、坊っちゃん」が引き起こすさまざまな事件はすべて「親譲りの無鉄砲」のせい。

その結果、「損ばかりしている」のが「坊っちゃん」なんです。

 

②社会は敵ばかり

 

この作品の面白いところは、新米教師として社会に出た「坊っちゃん」がさまざまなトラブルに巻き込まれ、嫌な人間たちとぶつかっていくところです。

赴任した中学には、「坊っちゃん」の嫌いなタイプの連中ばかりいたのです。

 

○中学の生徒たち

 

坊っちゃん」に何度もいたずらを仕掛けてきます。

誰がやったのかと問い詰めても、「知らんがな」と言い逃れをします。

自分のやったことを認めず、罰を逃れようとする卑怯な人間が、「坊っちゃん」は嫌いです。

 

○画学教師「野だいこ」

 

教頭「赤シャツ」にべったり付き従い、機嫌をとっている人物。

坊っちゃん」を見ながら、聞えよがしに悪口を言ったり、からかったりします。

でも、にらみつけると、恐る恐る引っ込む。

正面から向き合わず、喧嘩のできない人間が、「坊っちゃん」は嫌いです。

 

○教頭「赤シャツ」

 

高い教育を受けたエリート意識の塊。

悪知恵があり、器用に立ちまわります。


坊っちゃん」にいろいろなことを吹き込んで、だましたり、操ったりします。

口がうまく、常に逃げ道を用意しているので、口論では勝てません。


この「赤シャツ」こそ、「坊っちゃん」の天敵です。


坊っちゃん」はこのような人間たちと衝突を繰り返し、わずか1か月ほどで教師を辞めることになってしまいます。

 

③「坊っちゃん」の損

 

 坊っちゃん」の損は、嫌いな人間を見て見ぬ振りができないこと。

その結果、衝突を繰り返し、不利な立場に追われてしまいます。


坊っちゃん」がぶつかるのは、悪知恵があり、口がうまく、社会で器用に立ちまわっている人間たちです。

権力があったり、後ろ盾があったり、逃げ道を持っていたりします。


もちろん、ぶつかっても正面から相手をしてくれる人たちではありません。

となれば、腕力に訴えるしかない。

相手を殴って成敗しますが、教師を辞めて退散するという後味悪い結果になってしまいます。

 

④下女・きよの愛情

 

坊っちゃん」は人間関係で損をすることが多く、どちらかといえば嫌われ者です。


しかし「坊っちゃん」の正直な人柄を気に入り、慕ってくれる人間がそばにいます。

それが下女の清。

坊っちゃん」の家のお手伝いのお婆さんです。

 

「あなたは真直まっすぐでよい御気性ごきしょうだ」

坊っちゃん』(夏目漱石/著 新潮文庫)より引用

 

清はそう言ってほめてくれます。

いつでも「坊っちゃん」の味方なんです。

坊っちゃん」と清はお互いに信頼し合っています。


社会に揉まれても、自分を曲げず、正直に生きる「坊っちゃん」。

それは清の信頼を裏切らないためでもあるでしょう。

最初から損は承知の上なんですね。

 

 

 

おわりに

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夏目漱石の名作小説『坊っちゃん』のあらすじと魅力を紹介しました。いかがだったでしょうか?


坊っちゃん」の生き方はとてもシンプルです。

自分にも他人にも嘘をつかない。

自分のやったことには責任を持つ。

悪いことをしたと感じたら反省する。


なぜそうしなければならないのか、ということは考えません。

そうするのが人間だからです。


たとえ社会で損をしても、周りの大切な人から信頼される生き方をする。

夏目漱石坊っちゃん』には、そんな「坊っちゃん」の人間味あふれる魅力が詰まっています。


まだ読んだことのない人は、ぜひ手に取ってみてください。

 

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