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自分に自信がない時に読みたい『坊っちゃん』の名言集

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こんにちは、『文人』です。


坊っちゃん』は、100年以上経った今もたくさんの人に愛読されている夏目漱石の代表作です。


主人公「坊っちゃん」は、曲がったことが大嫌い。


正義感が強く、周囲のずるい人たちとすぐに衝突するので、結果的に損ばかりしている。

坊っちゃん」の言葉は、まっすぐで、読むと気持ちが温かくなる名言ばかりです。


今回は、そんな名作『坊っちゃん』の中の名言をわかりやすく紹介していきます。

 

 

 

 

名言①
親譲おやゆずりの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている

親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。

坊っちゃん』(夏目漱石/著 新潮文庫)より引用

 

作中で最も有名なのが、この冒頭の言葉です。

小説の物語がこの一文の中に凝縮されています。


主人公「坊っちゃん」は学校で物理を勉強した後、四国の中学(愛媛県松山市の中学校が舞台)へ数学教師として赴任します。

そして教頭「赤シャツ」を殴り、わずか1か月ほどで教師を辞め、東京へ帰ります。


これが『坊っちゃん』のあらすじです。

この一連の事件、すべて「坊っちゃん」の「親譲りの無鉄砲」な性格のせい。


「損ばかりしている」と現在進行形で書かれています。

ということは、事件の後も、「坊っちゃん」はどこかで損をしつづけているのでしょう。


たとえ損ばかりな人生でも、

「これは『親譲り』なんだぜ」

と開き直っている。

それが「坊っちゃん」です。

 

名言②
成程ろくなものにはならない。御覧の通りの始末である。

おれを見る度にこいつはどうせ碌なものにはならないと、おやじが云った。乱暴で乱暴で行く先が案じられると母が云った。成程碌なものにはならない。御覧の通りの始末である。

坊っちゃん』(夏目漱石/著 新潮文庫)より引用

 

坊っちゃん」は自分のことをこんなふうに語ります。

父親からは将来を悲観され、母親からも乱暴だと言われる。

でも「坊っちゃん」は自分の欠点を直そうとはしません。


この小説の面白いところは、「坊っちゃん」の成長物語ではないところ。

坊っちゃん」は大人になっても「坊っちゃん」のまま。

正直者で、曲がったことが大嫌いで、世の中のずるい人間たちとぶつかり続けるのです。

 

 

 

名言③
それでもきよは可愛がる

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母が死んでから清はいよいよおれを可愛がった。時々は子供心になぜあんなに可愛がるのかと不審に思った。つまらない、せばいいのにと思った。気の毒だと思った。それでも清は可愛がる。

坊っちゃん』(夏目漱石/著 新潮文庫)より引用

 

 小説の重要人物が、下女の清。

坊っちゃん」の家に仕えているお手伝いのお婆さんです。


清は「坊っちゃん」にとって最大の理解者です。

深い愛情で「坊っちゃん」を包み込んでくれます。

どうしてこんなに可愛がってくれるのか、「坊っちゃん」には理由がよくわかりません。


心当たりもないのになぜか好意を持ってくれる人が現れたら、何だか落ち着きませんよね。

その人はひょっとすると、理解者かもしれません。


自分を曲げない生き方をすると、敵が増えます。

でも、本当に理解してくれる味方もきっと現れる。

坊っちゃん』を読んでいると、清の存在がとても温かく感じられます。

 

名言④
おれは何がきらいだとって人に隠れて自分だけ得をする程いやな事はない

おれは何が嫌だと云って人に隠れて自分だけ得をする程嫌な事はない。

坊っちゃん』(夏目漱石/著 新潮文庫)より引用

 

子どもの頃、「坊っちゃん」はいつも清から物をもらっていました。

清が物をくれるのは、家族が誰も見ていない時。

なぜ自分にだけこっそり物をくれるのか、「坊っちゃん」には納得できません。


自分だけ得をするというのは、何だか嫌な気持ちがしますよね。

しかし「坊っちゃん」の場合、「なんか嫌だな」ではなく、大嫌いなんです。

それは大人になっても変わりません。

だから「損ばかりしている」んですね。

 

名言⑤
嘘を吐いて罰を逃げる位なら、始めからいたずらなんかやるものか

嘘を吐いて罰を逃げる位なら、始めからいたずらなんかやるものか。いたずらと罰はつきもんだ。罰があるからいたずらも心持ちよく出来る。

坊っちゃん』(夏目漱石/著 新潮文庫)より引用

 

宿直の夜、「坊っちゃん」は学校の生徒たちのいたずらに遭います。

捕まえて問い詰めても、生徒たちは知らんぷり。

罰を逃れようとします。

そんな生徒たちのやり口が気に入らない「坊っちゃん」。


当たり前ですけれど、いたずらと罰はつきもの。

いたずらをしておきながら罰を逃げたら、それはもういじめですよね。

 

 

 

名言⑥
何だか清に逢いたくなった

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清はおれの事をよくがなくって、真直まっすぐな気性だと云って、ほめるが、ほめられるおれよりも、ほめる本人の方が立派な人間だ。何だか清に逢いたくなった。

坊っちゃん』(夏目漱石/著 新潮文庫)より引用

 

赴任して早々、教師の仕事が嫌になった「坊っちゃん」。

宿直の夜、清のことを思い出します。


真っ直ぐな「坊っちゃん」は、社会に出てから他人とぶつかってばかり。

そんな「坊っちゃん」の性格をほめて、心から認めてくれるのは清だけ。


社会に出ると、お世辞にほめられることが多いですよね。

でも、人をよく見て、本心でほめてくれる人間はなかなかいません。

だからこそ、生き方に迷った時にはそういう人間に逢いたくなりますよね。

 

名言⑦
本当に人間程あてにならないものはない

本当に人間程宛にならないものはない。

坊っちゃん』(夏目漱石/著 新潮文庫)より引用

 

坊っちゃん」は四国の中学に赴任してから、だまされたり、振りまわされたり、人間のずるい面を嫌というほど思い知ります。


正直者だから、人を疑いません。

言われたことを素直に信じて、だまされてしまいます。

ずるい人間から見れば、格好の標的なんです。


正直な人ほど他人に失望しやすい。

でも、人間を信じられなくなったら終わりです。

そうであれば、人は誰でも損をするようにできているのかもしれませんね。

 

名言⑧
人間は竹の様に真直まっすぐでなくっちゃ頼もしくない。真直なものは喧嘩けんかをしても心持がいい。

人間は竹の様に真直でなくっちゃ頼もしくない。真直なものは喧嘩をしても心持がいい。

坊っちゃん』(夏目漱石/著 新潮文庫)より引用

 

坊っちゃん」は喧嘩が好きです。

しかし、世の中には喧嘩ができない相手が多すぎる。


その筆頭が、教頭「赤シャツ」。

人をだまし、自分の都合のいいように立ちまわる人間です。

口がうまく、いつも逃げ道を用意しているので、まともに争うこともできません。


結局、「坊っちゃん」は「赤シャツ」を殴ってしまいます。

口では勝てないので、腕ずくで懲らしめたわけです。

そして後味悪く、東京へ帰ることになります。


大人になるにつれ、喧嘩がうまくできなくなっていきます。

社会に出たら、他人と下手に争えません。

もし争ったとしても、後味の悪い結果になるばかり。

まともに喧嘩ができる相手というのは、すごくありがたい存在なのかもしれませんね。

 

名言⑨
だから清の墓は小日向こびなた養源寺ようげんじにある

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死ぬ前日おれを呼んで坊っちゃん後生だから清が死んだら、坊っちゃんの御寺へ埋めて下さい。御墓のなかで坊っちゃんの来るのを楽しみに待っておりますと云った。だから清の墓は小日向の養源寺にある。

坊っちゃん』(夏目漱石/著 新潮文庫)より引用

 

小説のラストです。

坊っちゃん」が教師の職をなげうって東京へ帰った後、清は肺炎で亡くなってしまいます。


清は「坊っちゃん」と同じ菩提寺である小日向の養源寺の墓に埋めてほしいと頼みました。

血縁ではない者を同じ菩提寺に入れるのはふつうのことではありません。

けれども、「坊っちゃん」はその頼みを素直に聞いて、清を小日向の養源寺の墓に埋葬してあげるのです。


だから清の墓は小日向の養源寺にある

野暮な理屈は言わず、義理人情を大事にするところが「坊っちゃん」らしいです。


「いや、家族じゃないから同じ寺には……」

なんてことは言いません。

大切な人の前では理屈は必要ないのだな、とあらためて思います。

 

 

 

おわりに

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夏目漱石坊っちゃん』の名言の数々、いかがだったでしょうか?


主人公「坊っちゃん」の語る言葉はとても素直で温かく、いつまでも古びることのない魅力に満ちあふれています。

生きることは、社会と絶えずぶつかること。

自分に自信が持てなくなった時には、ぜひ『坊っちゃん』をひもといてみてください。

 

 

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